私は株式投資を始めて6年になるのですが、初心者の頃は書籍を読んで勉強はしたものの、いま思えば「こうしておくべきだったな~」という失敗がたくさんありました。
実際に自分で経験しなければ理解できなかったかもしれませんが、「こういうのはNGだよ!」というような鉄則を、早い段階で学ぶ機会があればよかったです。
当時はアベノミクス初期だったので、株式投資にいけいけドンドンな内容の書籍や記事が多かったような気がします・・・
そこで今回は、私が株式投資で失敗した実経験に基づいて、初心者に心掛けてほしい取引ルール5つの鉄則をまとめてみました。
- 細かな取引をしない
- 皆が恐怖して投げまくる日を待つ
- 相場にネガティブな予感があれば早めに退避する
- 信用取引を絶対にしない
- 保有株が急騰した場合は半分を上限に利益確定する
初心者の方に参考としていただけるよう、それぞれについて詳しくお話ししていきたいと思います。
1.細かな取引をしない
初心者のうちは、デイトレードなどの頻繁に取引を行う投資は避けましょう。
短期的な株価の動きを予想することは、ベテランの投資家でも困難なことであり、予測が外れたときの迅速なロスカット(損切り)管理が重要です。
取引ごとに適切なリスク管理を行うのも、ある程度の相場経験を積まないと判断が難しく、ルーズなものになりがちです。
リスク管理が十分でない短期取引は、ギャンブルをしているのと同じことになります。
また毎回の取引で、売るときも買うときにも、証券会社に手数料が発生することを忘れてはいけません。
短期売買というのは、ロスカットコストや手数料コストも含めて収益判断を行い、損失を小さく抑えながら利益を積み重ねていく手法なのです。
十分な経験やスキルが求められるのはもちろん、相場に張りついていなければならず、これはいわば労働と同じです。
初心者の方やサラリーマンの副業として取り組む方は、将来性のある企業の株を保有して、中長期で利益を取っていくというスタイルをおすすめします。
2.皆が恐怖して投げまくる日を待つ
2013/5/23、2014/2/4、2015/8/25、2016/2/12、2016/6/24、2016/11/9、2018/2/5、2018/12/24
私が株式投資をやっている6年間でも、相場が大暴落となった日はこれだけの数が存在しています。
このような日には投資家が恐怖におびえて、皆が我先にと持っている株を投げまくります。
個別銘柄の材料などは一切関係なく、優良銘柄でもたたき売られるのです。
まさにバーゲンセールともいえる買い場であり、初心者の方はこういう分かりやすいタイミングを狙って買いを入れるようにしましょう。
暴落時の買い方については、別の記事で詳しく解説していますので、よかったら参照してみてください。
3.相場にネガティブな予感があれば早めに退避する
大暴落にはいくつかのパターンがありますが、不安視されていたことが徐々に顕著になって、大暴落につながるという場合があります。
2015年6月~9月の日経平均チャート。8月中旬から3,000円近い大暴落となった
2つ目の項目で記載した「2015/8/25」は、チャイナショックと呼ばれた大暴落で、中国の上海市場の暴落が発端になったといわれています。
上海市場はその前の年から大暴騰を続けていて、そのバブルがはじけて大暴落となったわけですが、上海の暴落がはじまったのは2015年の6月頃でした。
つまり上海市場は6月から暴落をしていたにもかかわらず、日本や世界の市場ではしばらく反応せず、徐々に投資家の恐怖心が増大して8月になって大暴落したのです。
ですので上海が暴落している時点で、世界の相場へ飛び火する可能性を予見していれば、こういったパターンの大暴落は回避することができます。
相場の経験を深めていく中で、このような予感を持てるようになりますが、相場に対して楽観主義でいてはその予感を活かすことはできません。
「相場には良いときもあれば悪いときもある」ということをわきまえて、楽観ではなくディフェンシブに株式投資と向き合いましょう。
4.信用取引を絶対にしない
信用取引は知識がないとリスクが大きい取引手法なので、初心者の方は利用を控えましょう。
信用取引は短期売買の効果を高めるための手法であり、中長期投資で活用するのは難しいのです。
大暴落の説明の中でふれましたが、相場環境が悪くなると企業業績など関係なく、優良銘柄でも投げ売りされることがあります。
その際も現物取引で保有しているのであれば、保有株が一時的にどれだけ下がったとしても、保有し続けておくことが可能です。
しかし信用取引で保有している場合は、暴落が発生すると保証金維持率※1の心配をする必要があります。
保証金維持率が一定ラインまで低下してしまうと、追加保証金※2の入金を証券会社から求められたり、強制的に損切り決済されてしまう場合があるのです。
私は初心者の頃に、同じ銘柄を現物と信用取引で保有(二階建て)していたことがあるのですが、暴落に巻き込まれて追証※2が発生してしまいました。
この時はサラリーマンだったのですが、暴落のことが気になってしまい、仕事が全く手につきませんでした。
こういった個人投資家の追証狩りを狙って、売り仕掛けするヘッジファンドなどもありますので、初心者のうちは安易に手を出さないようにしましょう。
※1 保証金維持率とは?
信用取引で保有している株を担保するために、保証金が十分にあるかを指し示す割合のこと。信用取引の保有株が含み損になると、含み損の額が保証金からマイナスされて計算されるので、保証金維持率が急低下してしまう。
※2 追加保証金とは?(追証ともいう)
証券会社が定める保証金維持率より低下してしまうと、維持率を保つために必要な追加保証金の支払いを求められる。相場の下落が続けば追証が毎日続く場合もある。
5.保有株が急騰した場合は半分を上限に利益確定する
株価というものは、本来であれば企業の成長と連動して、緩やかな上昇線を描くはずなのです。
しかし実際にはポジティブなニュースなどで、売買の受給バランスが崩れて株が不足し、株価が急激に上昇する場合があります。
このような一時的な急騰が起きたとしても、やがて過熱感は冷めてしまい、いずれは本来の成長線に沿った価格に収束します。
自身の保有株でこのような急騰が発生した場合はどうすればいいのでしょうか?
保有株の急騰はうれしいことなのですが、利益確定して手放した場合は、さらに上がり続けて買い戻せなくなるリスクがあります。
かといってさらなる上昇を見込んでいても、一気に熱が冷めてしまって急騰が帳消しになり、元の株価に戻ってしまうことだってあるのです。
そこで保有株が急騰した場合は、保有株数の半分程度を上限に、株価の上昇に合わせて少しずつ利益確定することをおすすめします。
さらなる暴騰が続くようであれば、残り分をさらに売却して利益を得ることができます。
もし熱が冷めて急落するのであれば、売却した利益確定分を下落後に安く買い戻すことができ、どちらに転んでも投資成果につなげることが可能です。
このような手法を取るには、銘柄の保有が複数単元であることが条件になるので、株の購入時は2単元以上で保有することをおすすめします。
まとめ ~株式投資の初心者が心掛けるべき取引ルール5つの鉄則
- 細かな取引をしない
- 皆が恐怖して投げまくる日を待つ
- 相場にネガティブな予感があれば早めに退避する
- 信用取引を絶対にしない
- 保有株が急騰した場合は半分を上限に利益確定する
これまでの失敗してきた経験をふまえて、もし自分が今から株式投資を始めるのであれば、「これだけは守っておくべき!」と伝えたいことを鉄則としてまとめました。
この通りやれば成功しますよという類いのノウハウではないですが、株式投資で失敗する確率を下げることはできると思っています。
株式投資で成功する秘訣は、「生き残り続けること」だと、私自身は考えています。
今回お話しした5つの鉄則が、株式投資のディフェンス力を高める参考となればうれしいです。
▼こちらも合わせてどうぞ▼