株式投資をはじめる初心者の方がいちばん最初に悩むことは、株の口座をどこの証券会社で開設しようかということではないかと思います。
証券会社の比較記事がたくさん出てきて、いろいろメリット・デメリットが解説されているのですが、結局どれがいいのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
結論からいいますと、会社員の副業や初心者の方が株式投資をはじめる段階であれば、ネット証券会社であればどこで申し込んでもそんなに大差はありません。
たくさんの証券口座に申し込む必要もありません。
1社か2社で株式口座を開設していれば十分だと思います。
なぜかという点も含めて、証券口座の開設についての考えをできるだけシンプルにわかりやすくお話しをしていきます。
株式口座開設の基礎知識
株式口座の開設についての基礎知識をまずお話ししていきます。
証券会社に口座開設が必要な理由
投資対象となる上場企業の株は、証券取引所というところで売買の取引を行っています。
日本株でいえば東京証券取引所(東証)が有名ですが、この他にも札幌や名古屋、福岡にも証券取引所が存在しています。
証券取引所で株の売買を行えるのは証券会社などの登録された者だけであり、個人投資家は証券取引所で株の売買を直接行うことはできません。
個人投資家が株の売買を行うためには、まず証券会社に個人の口座を開設し、その口座から証券会社に売買依頼を出し、証券会社はその依頼に基づいて売買の代行をする形となります。
証券会社は株の売買を代行する際に個人投資家より手数料を徴収します。これが証券会社の収益源の一つとなってます。
証券口座はどう選ぶ?
インターネット注文をメインとしているネット証券会社であれば、売買注文の手数料が割安に設定されていますのでこの中から選びましょう。
どのネット証券で口座を開設しても、口座開設の費用は無料であり、口座を維持する費用もかかりません。
注文手数料や特徴に差はありますが、サラリーマンの副業や初心者の人が株式投資をはじめる段階においては、どの会社を選んでも投資成績が大きく変わるようなことはありません。
口座の種別について
証券口座を申し込むにあたっては、「一般口座・特定口座」の2種類からどちらかを選ぶ必要があります。
【一般口座】
株取引の年間記録を報告書として自分で作成する必要がある。未公開の株取引があるなら選択要。
【特定口座】
年間の株取引の記録を証券会社が集約し取引報告書を出してくれる
年間の取引報告書というのは、確定申告を行う場合に必要になる書類のことです。
特定口座を選んでおけば、証券会社が年間の取引記録を報告書としてまとめて出してくれるので、確定申告を簡単に行うことができます。
サラリーマンの副業や初心者が株式投資をはじめる段階で、未公開株を取引するケースはまずありませんので、ここは迷わず特定口座を選んで問題ありません。
源泉徴収について
特定口座での開設を選択した場合には、証券会社にて源泉徴収をするかしないかを選択する必要があります。
源泉徴収ありのメリットとデメリット
【メリット】
・確定申告が不要となる
・株の利益がいくら出ても扶養控除から外れない
・株の利益がいくら出ても自営業者の住民税や保険料が上がらない
【デメリット】
20万円未満の利益でも所得税が引かれる(源泉徴収なしを選べば支払わずに済む)
源泉徴収ありの場合は確定申告の手続きが不要となり、会社員の副業として取り組む上では手間を減らせるメリットとなります。
またどれだけ株で利益を出しても扶養控除から外れる心配がなく、個人事業の住民税や保険料が変わらないという点も、主婦の方や自営業・フリーランスで働く人の副業としては大きなメリットとなります。
株式投資への運用額が少ないなどして、年間の利益が20万円に満たない場合は、本来は所得税の支払いが必要ないにもかかわらず、源泉徴収されてしまっているため、最大3万円ほど余分に支払いをしてしまう可能性があります。
源泉徴収なしのメリットとデメリット
【メリット】
利益から税金を引かれることなく運用できるので、短期売買などで資金効率を上げることができる
【デメリット】
株取引の利益が20万以上なら確定申告が必要
短期売買を中心に考えている場合は、源泉徴収なしを選ぶことで売買ごとに利益から源泉徴収が差し引かれることが無くなるので、運用資金の効率を高めることができます。
ただし年間20万円以上の利益が出れば確定申告をする必要があります。
まとめますと、サラリーマンの副業や初心者の方が株口座を開設するのであれば、よほどの小規模投資でない限りは、「特定口座・源泉徴収あり」を選択するのがおすすめだといえます。
NISA口座について
NISA口座とは1人につき1口座、通常の証券口座とは別に持てる非課税の証券口座です。
年間120万円までNISA口座で株を購入して保有することができ、5年後までの期間内であれば、株の値上がりでどれだけ売却益を得たとしても非課税とすることができます。
サラリーマンの副業として長期投資で運用するのであれば、メリットが大きいのでNISA口座もぜひ活用していきましょう。
【メリット】
NISA口座で購入した株ならどれだけ利益を得たとしても、5年の期間内であれば非課税となる
【デメリット】
・購入できる枠が年間で120万円しかない
・損を出した場合に損益通算できない
株式口座の開設手続きと必要なもの
株口座開設手続きの流れ
株口座を開設する際の大まかな流れは下記の通りとなります。
- ネット証券会社サイトの申込フォームより必要事項を記入しWEB申し込み
- 本人限定受取郵便にて申込書類を受け取り
- 返送必要書類を証券会社宛に郵送
- 口座開設完了後に取引開始
必要な確認書類
株口座開設時に必要な確認書類は以下の通りです。
- 個人番号の確認できる書類
- 運転免許証など本人確認書類
おすすめのネット証券
ネット証券会社は複数ありますが、サラリーマンの副業として取り組む場合や初心者の方であれば、どこか1、2社に申し込むだけで十分です。
私ははじめるときにほとんどのネット証券会社に口座開設を申し込みましたが、資金の移動や口座管理が煩雑になってしまうため、結局メインに利用する2社以外はほぼ全く使いませんでした。
証券会社の手数料の差や提供しているトレードツールなどの差は、デイトレードなどの短期売買を手掛ける投資家であれば重要かもしれませんが、ひんぱんに売買を行わないサラリーマン投資家や初心者の方にはあまり関係ありません。
参考として私がメインで使っている2つのネット証券会社をご紹介します。
どちらも使いやすくおすすめです。
SBI証券
公式サイト: https://www.sbisec.co.jp/
SBI証券はネット証券最大手で口座開設数が業界No.1の証券会社です。
「PTS取引」は、証券取引所が開いていない朝の8:20~9:00、夕方17:00~23:59の時間にPTS市場で株取引を行うことができます。
たくさんの証券口座を保有しているからこそできるSBI証券独自のサービスで、日中に自由に取引ができない会社員の方でもリアルタイム取引が可能です。
- PTS取引というSBI独自の市場で夜間や朝に株取引ができる
- IPO(新規上場株)の取り扱いが多く、IPOチャレンジポイントで人気銘柄が狙える
- 住信SBIネット銀行との連携が便利
マネックス証券
公式サイト: https://www.monex.co.jp/
マネックス証券の特徴の一つとして、IPO(新規上場株)の抽選方式が資金量や取引実績に関係なくコンピュータの無作為で当選が決まるので公平であることです。
マネックス証券の口座からIPOに申し込むことで、株式投資をはじめたばかりの初心者の人でも、人気銘柄に当選できる可能性が高まります。
- IPO(新規上場株)が公平抽選で当選の可能性がある
- 様々な注文方法があるので売買をより細かく設定できる
- 米国株の取引銘柄数が多く手数料も安い
まとめ
株の口座を開設するにあたっての基礎知識や手続きの流れ、おすすめの証券口座などについてまとめてみました。
サラリーマンの副業として株式投資を考えている方や初心者の方の参考となればうれしいです。
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