株式投資には様々な手法がありますが、サラリーマンの副業として取り組む方、特に初心者だという方には私は企業業績に基づく中長期投資をオススメしています。
チャートや企業価値の割安性を勉強して株式投資を行うことはそれなりの労力を要しますし、その分野で機関投資家や専業投資家より優位性を持つことは初心者には困難です。
本業で慣れ親しんだビジネスという観点から、その銘柄が企業としてさらに成長していけるかどうかを見極めていくことの方が、それよりもはるかに労力が少なく優位性を発揮できると思います。
株式投資した銘柄の株価が上がり資産を増やしていくためには、その企業の業績が安定的に向上し続ける必要があります。
株式上場している企業は、3ヶ月ごとの四半期決算を公表しなければいけないルールとなっており、年間4回その企業の業績進ちょくを確認することができます。
株式投資家として、四半期決算の中から投資判断に必要となる情報を読み取れる力をまず身につけていきましょう。
決算の内容からどのようにして業績のチェックを行っていくのかを詳しくお話ししていきたいと思います。
- サラリーマンの副業として株式投資に取り組んでいる方
- 株式投資をはじめたばかりの初心者の方
四半期決算で確認するべき業績のポイント
上場企業の四半期決算の内容は、その企業より発表された決算短信や決算説明資料で確認することができます。
決算短信は証券取引所で定められた形式の資料で正直ちょっと読みづらくわかりにくいので、決算説明資料が別に用意されているのでしたら、そちらで確認することをおすすめします。
【決算短信のフォーマット】
【決算説明資料のイメージ】
決算説明資料は企業担当者がパワーポイントで作成しているケースが多いため、会社員の方なら見慣れた形式の資料だと思います。
内容について詳細に分析をするには非常に多くの項目を読み解く必要があり、サラリーマンの副業などでは時間確保が難しくなります。
株式投資の初心者が確認するポイントとして、四半期決算の発表内容からまずは次の4つをチェックするようにしましょう。
売上(当該四半期分)
売上とはその企業が本業となるビジネスで得た収入のことです。
業績チェックで確認したい売上は、当該四半期(3ヶ月)の期間中だけの金額になります。
決算発表の売上はその年度の累積分を記載している場合が多いので、その前の四半期までの売上を差し引きして割り出す必要があります。
その当該四半期分の売上が、前年の同じ四半期分の売上と比較してどの程度伸びているかを確認します。
投資対象としての合格ラインは前年四半期比で20%以上の増加を達成している場合です。
営業利益(当該四半期分)
営業利益とは売上から売上原価(仕入れ・材料など)と販管費(人件費や経費など)を差し引いた本業の利益のことです。
業績チェックで確認したい営業利益は、当該四半期(3ヶ月)の期間中だけの金額になります。
決算発表の営業利益はその年度の累積分を記載している場合が多いので、その前の四半期までの営業利益を差し引きして割り出す必要があります。
その当該四半期分の営業利益上が、前年の同じ四半期分の営業利益と比較してどの程度伸びているかを確認します。
投資対象としての合格ラインは前年四半期比で20%以上の増加を達成している場合です。
経常利益(当該四半期分)
経常利益とは営業利益から本業以外の収益や費用を加減した利益のことです。
業績チェックで確認したい経常利益は、当該四半期(3ヶ月)の期間中だけの金額になります。
決算発表の経常利益はその年度の累積分を記載している場合が多いので、その前の四半期までの経常利益を差し引きして割り出す必要があります。
その当該四半期分の経常利益上が、前年の同じ四半期分の経常利益と比較してどの程度伸びているかを確認します。
投資対象としての合格ラインは前年四半期比で20%以上の増加を達成している場合です。
成長の継続性(成長戦略の進捗)
成長の継続性を確認するためには、今回発表以前の四半期の業績でも合格ラインを達成し続けているのかをまずチェックします。
当該四半期で前年比20%以上の増加を達成していたとして、ではひとつ前の四半期の前年対比はどうか、その前の四半期はどうかと確認していきます。
合格ラインとしては3四半期連続で3項目すべて20%以上の増加を達成している場合です。
もちろんどこかで20%を多少下回っていたとしても、誤差の範囲と見れるのであれば合格としてもかまいません。
さじ加減は好みで加えていただければと思います。
次にこの成長性が今後も続くかどうかの判断ですが、未来のことですので完璧に判断することは難しいと思います。
ここで一番頼りになるのはサラリーマンの本業でつちかってきたビジネス経験です。
- 同じような業種で働いているからこそ見えてくるヒントが隠されていないか?
- 自身のビジネス感覚からすれば、当社の成長戦略の実現性は高いのか?
決算資料だけでなく企業サイトにある様々な資料から上記のようなことを考察してみましょう。
業績確認についてのまとめ
これまでの要素がすべて合格ラインであれば、私は株式投資の対象銘柄に加えます。
この基準は私の判断で設定したものですので、多少基準を満たさないからといって投資をしてはいけないというわけではありません。
ただ、数年かけて株価が何倍にも大きく上昇していく銘柄は最低でもこのラインを超えている場合が多いですし、この基準より下げてしまうとラインをクリアする銘柄が多くなってしまい、投資対象銘柄が増えすぎてしまいます。
ご自身で実践していきながらアレンジを加えてオリジナルの投資基準を作っていただければと思います。
この基準を満たす株式銘柄が実際に見つかった場合、すでに株価の上昇がはじまっていたり、下げ続けた株価が反転をはじめていたりすると思います。
この場合も安易にすぐ買いに走るのではなく、ぐっとこらえて相場下落の購入タイミングを見計らってください。
業績をチェックする方法
ここからは実際の業績チェックを行う方法についてお話しします。
下記のようにいくつかのサイトから確認することができます。
- 投資銘柄の企業ホームページ
- 証券会社や株式投資情報サイト
- 適時開示情報(TDnet・日経新聞)
会社員の方なら投資銘柄の企業ホームページで確認するのが一番わかりやすいと思うのでおすすめです。
企業ホームページでの確認場所
企業サイト内の「IR情報」をクリックすると投資家向けの資料ページとなります。
日経新聞の適時開示情報の場所
① トップページより「マーケット」のタブをクリックします。
② 赤枠部分の「適時開示」をクリックします。
③ その日の適時開示の一覧が表示されます。
TDnet
東証が提供している適時開示情報です。(日経新聞と同じです)
当該四半期のみの業績を確認する方法
株探という株式投資の情報サイトを使えば、四半期ごとの業績を自動計算して登録してくれているので非常に便利です。
① 業績情報を見たい銘柄を検索します。
② 銘柄のページで「決算」タブをクリックします。
③ 決算情報のページで下へスクロールします。
④ 3ヵ月業績の推移【実績】の欄に情報が掲載されています。
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