サラリーマンが副業で投資をすることがオススメであると以前の記事で述べさせていただきました。
では一体どんな投資がサラリーマンの副業に向いているんだという話ですが、株式投資がサラリーマンと相性のいい投資手段の一つであると私は考えています。
私自身も会社員時代に副業として株式投資に取り組んできました。
株式投資のいいところはサラリーマンの副業としても取り組める上に、定年や退職で会社員から離れたとしても生涯にわたってずっと取り組むことのできるビジネスだからです。
サラリーマン時代から副業として株式投資に取り組んで経験を積んでおくことで、セカンドライフをより充実させる手助けになるとすら思っています。
「株式投資は危険じゃないか?」とか「失敗するリスクがあるのでは?」という心配はもちろんあると思います。
しかしサラリーマンとしての強みを活かした株式投資のやり方を実践すれば、これらの心配を回避しながら将来につながる投資ができるものと私は考えています。
これまでの経験に基づいたサラリーマンの強みを活かす株式投資法をお話ししたいと思います。
株式投資におけるサラリーマンの優位性とは?
豊富な資金力をもつ機関投資家や株式チャートに1日中張りついてトレードする個人投資家など、株式市場にはいろんな参加者がいます。
最近では株式市場で動くお金のほとんどが海外の機関投資家、しかもAIを使った自動売買によってコントロールされています。
1/1000秒単位で売買を成立させて株価を動かしていますので、同じ土俵に立って短期勝負のトレードしてもまず勝ち目はありません。
しかしサラリーマンとしての優位性を活かして、彼らとは異なる長期的な方針で株式投資を行えば、リスクをコントロールしながら投資成果をあげることが可能です。
では株式投資におけるサラリーマンの優位性はどのようなものがあるかまとめていきましょう。
安定収入がある
サラリーマンには会社員としての収入が毎月入ってきますので、短期的な株式投資の成果に左右されることなく生活を守ることができます。
これは出資者から資金を集めて運用している機関投資家や、株式売買で生活費も稼がなければいけない専業トレーダーにはない優位性です。
彼らは短期的でも投資成績がマイナスとなれば運用資産の目減りとなり、迅速な損切りやばん回策を講じる必要があります。
自分なりの根拠を持って株式購入した投資先であれば、相場環境による一時的な下落で一喜一憂する必要はないのです。
本業があるから日々の値動きに執着しなくてよい
会社員は株式相場が開いている時間帯は本業が忙しいので、株価の値動きをリアルタイムに追うことが出来ません。
これをデメリットに感じて、スマホ片手にトイレで値動きをチェックするようなやり方では、モニターをたくさん並べてリアルタイムな情勢を分析しながら投資をしている専業投資家を相手に勝ち目はないのです。
こちらは副業でやってるのですから、本業の時間帯は「お好きにどうぞ」と割り切ってしまい、日々の値動きに執着しなくてよいのもサラリーマンの株式投資に対する優位性といえるでしょう。
会社員のビジネス経験を銘柄選定に活かせる
機関投資家や専業の個人投資家は数多くの企業を研究しながら株式投資しています。
サラリーマンは企業研究をしていなかったとしても、自分の本業に関する分野であれば専業投資家に負けない知見を持っているのです。
本業でつちかった知見に基づいて、同じ業界の中でこれから伸びる企業を推察することや新しいビジネスの可能性に気づいて投資判断に活かせることもできます。
サラリーマンが株式投資で失敗する3つの理由
ではサラリーマンの優位性を活かせず株式投資に失敗してしまうのはどのような理由があるのでしょうか?
サラリーマンが株式投資で失敗する理由は3つに集約されると思います。
信用取引でレバレッジをかけてしまう
信用取引というのは自分の投資資金や株式を担保にして、実際の投資資産より大きな取引ができる制度です。
信用取引で「資産より大きな取引をする」ことをレバレッジをかけると表現しますが、要するにお金を借りて株式投資をしているということになります。
レバレッジをかけて購入した株が値上がりすると利益もその分大きくなりますが、値下がりした時にも損失額はレバレッジをかけた分だけ大きくなります。
損失額が一定のラインまで達すると担保が足りなくなって証券会社から新たな担保資金を入金するよう催促を受けたり、保有株をすべて強制売却され持っていた資金まですべて失う場合もあります。
短期的な株価の値動きは、資金力のある機関投資家や専業投資家の集中的な売買で形成されることがあります。
会社員がレバレッジをかけた取引を行い、予期せぬ株価の急落で投資資金を大きく失ってしまう。
これがサラリーマンが株式投資で失敗する理由の一つです。
株式投資に資金を注ぎこみすぎる
株式投資へ貯蓄の大半を割り当てるなど、投資額を副業の範囲を超えて注ぎ込んでしまうケースです。
購入した株が値上がりすると資産増加も大きいですが、急激な値下がりで大きな含み損※となると、その額の大きさに精神的に耐え切れずに損切りしてしまい資産を減らすことになります。
※含み損:売却した場合に出る損失額のこと
副業の範囲を超えた投資額になったことで、結果的に専業投資家と同じ行動心理になってしまっています。
サラリーマンの株式投資に対する優位性を失ってしまった結果の失敗となります。
売買のタイミングを間違える
株価の値動きは日々の売買の需要と供給のバランスによって作られています。
前述のようにほとんどの売買は機関投資家や専業投資家の取引ですので、短期的な株価の値動きは彼らによって形成されるものであり、副業でやっているサラリーマンの株式投資家が関与できることは何もありません。
したがって会社員が副業として株式投資に取り組む場合は、このような短期的な値動きを売買の判断材料とするべきではないというのが私の基本的な考え方です。
もちろんうまくトレードして利益を得ているサラリーマン株式投資家もたくさんいますし、私も手掛けることもあります。
しかしそれは株式投資に対する経験とスキルがある程度備わっているからこそ判断できるものだと思います。
サラリーマンの副業として株式投資をはじめたばかりの段階では、短期の値動きによるトレードはリスクの高いものと捉えてください。
サラリーマンの副業として最適な株式投資の手法とは?
サラリーマンの副業として最適な株式投資法とは、これまで取り上げてきた株式投資におけるサラリーマンの優位性を活かし、失敗する3つの理由をおかさない投資手法となります。
具体的には下記のような基準を持って株式投資に取り組むこととなります。
投資額を決めておく
貯蓄額やサラリーマン収入の余剰から株式投資に割り当てる予算(上限)をあらかじめ決めておきましょう。
集中と分散の投資バランスを保つ
自身の会社員経験が活かせる分野で今から3~5年の未来に成長(業績の拡大)が見込める企業を探してみましょう。
それ以外でも、自身の趣味などから成長イメージが思い浮かぶ企業があれば、投資銘柄に組み込むのはアリだと思います。
投資先は1社に絞らずにできれば3~5社に分散投資させましょう。
株式の売却益に対して通常は20%の税金がかかりますが、NISAという制度を利用すると投資から5年以内であれば売却益が非課税となります。
ただしNISAにはデメリットもありますので、特定口座とNISAも分散して使い分けましょう。
[blogcard url=”https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html”]
買い判断のタイミングを極限まで絞る
投資として取り組むなら選定した銘柄の購入は相場が崩れて株価が大きく下がるタイミングまで待つくらいに絞りましょう。
もちろん買いたい気持ちを抑えるのは大変ですが、中途半端な位置で買うとそこから下がったときに、最初のうちは適切な判断ができないと思います。
株式相場は1~2年に1回くらい相場が大きく崩れる時期があります。
この時はほとんどの株が売りが売りを呼ぶくらいたたき売られ、「こんなに下がるの?!」というくらいまで安くなります。
サラリーマンは株価をチェックできませんので一番の底値で買うのは難しいと思います。
ただ大きく相場が崩れた場合には、しばらくは低迷してすぐに株価が戻らないケースが多いので、下がりきったのを確認してから買ったとしても中途半端な位置で買うよりもずっと安く投資できるでしょう。
それくらいまで待って買うというのが理想です。
株価の大幅下落がニュースの記事になるような時期が、サラリーマン株式投資家が出動する時期だと考えましょう。
選定した銘柄を絞りに絞ったタイミングで買うことが、サラリーマン株式投資家にとって一番重要なポイントとなります。
売り判断の基準を決めておく
売買をするたびに手数料が発生しますので、サラリーマンの株式投資においては株価が多少上がったというだけで売却することはあまりおすすめできません。
本業でつちかった知見で成長を見込んで投資したわけですから、見立て通りに順調に業績を伸ばしていけば数年で3~5倍以上の株価に成長する銘柄もあります。
漠然と保有し続けるのではなくその企業のビジネス前提が変わったり、「こういう場合は売る」という基準は決めておきましょう。
まとめ
以上が副業としてサラリーマンの強みを活かす株式投資法です。
「〇億円稼いだ!」というような大きな成果は期待できないかもしれませんが、しっかり実践すれば会社員の副業としては十分な投資成果にできると考えています。
サラリーマン時代は会社員としての本業を大切にしながら、副業としてリスクや負担、手間をコントロールしながら少しづつ株式投資の経験を積み重ねましょう。
株式投資には定年はありませんので、会社員生活を終えたのちに本格的にライフワークとして取り組んでみるのもいいかもしれませんね。
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