サラリーマンの方が副業として株式投資に取り組むにあたり、初心者のうちは投資銘柄を厳選して買いを入れるタイミングもできるだけ我慢して、株式相場が暴落となるタイミングを狙うべきとお話ししてきました。
- 初心者の方が買いのタイミングを株式相場の暴落まで待つべき理由
- 暴落相場の中で銘柄の買いタイミングを見極める方法
今回はこの辺りについてお話していきます。
なぜ買いのタイミングを暴落まで待つべきなのか?
「とりあえず実際に買ってみて相場に慣れていくのがいい」
私が株式投資をはじめた頃に読んだ投資雑誌などでも、株式投資の初心者に対してこのようなアドバイスが多かったと思います。
ただ当時の自分を振り返ってみると、それ以前に投資で成果を上げるために何をして行くべきすらよくわかっていなかったように思います。
何となく買ってみて儲かった、下がったから損切りしてしまった。
軸を持たずにとりあえずで株を売買したとしても、それは単なる運に近いものであり株式投資家の経験値として得られるものは多くありません。
たまたまその時の相場環境がよく買った株がすぐに値上がりして儲けたりしてしまうと、
このような勘違いをしてしまい後で大きなしっぺ返しを食らうことになりかねません。
「自分はこの投資スタイルでやっていくんだ!」
何らかの投資手法をしっかり勉強した上で明確な意思を持って株式投資をスタートされたのでしたら、迷うことなくその道を突き進んで行けばよいと思います。
実はとりあえず株式投資をはじめてみたという感じでしたら、自分の投資方針が固まるまでは「とりあえず買い」を控えて、相場の暴落を待ちながら投資手法の模索をはじめてみましょう。
自分の経験をふまえて、サラリーマンの副業として株式投資に取り組む方や初心者の方におすすめできる株式投資法の記事もまとめていますので、よかったら参照してみてください。
株式相場の大暴落こそが買いシグナル
副業レベルで株式投資に取り組むのであれば、投資対象とする銘柄を見つけたとしても、すぐに買いを入れずに株式相場が崩れて大暴落となるタイミングまで我慢してじっくり待ちましょう。
その時が来るまで投資銘柄の選定を続けながら、本業にしっかり取り組んで、いざという時のための投資資金を蓄えていきます。
株式相場は1~2年に1回くらい相場が大きく崩れる時期があります。
その時にようやく投資対象の銘柄に買いを入れるのです。
中長期で株式投資を行うのであれば、そもそも頻繁に銘柄の買い付けを行う必要はありません。
年1回レベルの買い好機に選定銘柄をしっかり買い付けることができれば十分であるといえます。
大暴落は優良銘柄のバーゲンセール
年に1~2回ほど訪れる株式相場の大暴落では、ほとんどの銘柄が売りが売りを呼んでたたき売られ、「ここまで安くなるの?!」というくらいまで株価が下落します。
優良銘柄として株価が安定推移していた銘柄でさえ、この時ばかりは驚くほど安くなることがあります。
なぜ大暴落は起こるのか?
株式相場の大暴落が一定の頻度で起こる理由は、きっかけはさまざまであってもメカニズム的には共通する部分があります。
その根本にあるのは相場の動きは常に行き過ぎる傾向があるというものです。
企業業績であっても景気の変動であっても、その波は急激に良くなったり悪くなったりするわけではありません。
ところが株式相場というのは、株を「売る・買う」という行動によって動くものなので、人の心理が大きく作用してしまいます。
決算発表などで多くの投資家に同時に知れ渡れば、われ先にと買いを急ぐ投資家の買いつけが殺到して株価は急騰してしまいます。
経済指標などで悪材料が出れば、このような心理の売りが殺到して株価が急落するのです。
これらの前提をふまえて大暴落が起こるメカニズムというのはおおむね以下のようなものになります。
- 景気や業績などに関する悲観的なニュースが出て、機関投資家が運用しているAIなどのプログラム売買が一気に売りに傾く。
- デイトレーダーなどが損失を抑えるための損切りや空売りを仕掛けるなどしてさらに売りが膨らむ。
- 急落で損失が一気に膨らんでしまった個人投資家が、損切りを急いで成売り(いくらでもいいから売りますという注文)が殺到する。
- さらなる暴落への恐怖心で、③の成売りに対する投資家の買いがほとんど入らず株価はさらに大きく下落する。
- 信用取引でレバレッジをかけて株式を保有していた投資家が、株価急落による損失拡大で担保の保証金を工面できず、証券会社に強制決済(成売り)されてさらに株価が急落する。
- 株価の反発を期待して暴落に買い向かった投資家が、読みが外れて膨らんだ損失に耐え切れず、損切りをしてさらに株価が急落する。
- この流れをループのように繰り返してさらに暴落する場合もあります。
株式相場の大暴落は、人の恐怖心によって売りが売りを呼んでしまい、売りと買いのバランスが急激に崩れることによって発生しています。
暴落時に売りを出している投資家の多くは、「いくらでもいいからとにかく早く売りたい!」とその銘柄の本来の価値などお構いなしで成売りをしています。
目をつけていた優良銘柄であっても、おかげで信じられないくらい値を下げることがあります。
初心者投資家の皆さんは、このバーゲンセールで欲しい銘柄をお安く買っていきましょう。
注意するべき点
株式相場が下落しているときはどこまで下げ続けるのかは誰にもわかりません。
相場が下げ続けている途中で「この銘柄がここまで下がるなら安い」というような、あなたの主観で買いを入れないようにしてください。
行き過ぎた暴落も永遠に続くわけではなく、売りたいという人が売り切っていずれは収束します。(この段階をセリングクライマックスといいます)
大きな暴落になるほど投資家の多くが損失を抱えて疑心暗鬼におちいってしまい、安くなったから買おうという意欲が出ないまま、しばらくは軟調な相場になることが多いです。
無理に一番安いところを狙って買いを入れようとせず、セリングクライマックスを確認した後で、数日に分けて少しずつ買い足していくような形で投資を行いましょう。
業績の成長と将来性を兼ね備えた銘柄であるのなら、いずれ相場が落ち着けば見直されて株価の飛躍が訪れるはずです。
大暴落の買いタイミングを見極める方法
株式相場に暴落があったとしても、どこからが銘柄の買いを入れていい大暴落なのか、最初はよくわからないと思います。
大暴落の判定に私が使用している指標と目安をいくつかご紹介しますので、よかったら参考にしていただければと思います。
VIX恐怖指数チャート
投資家の心理状態を表す指数です。
米国の指標ですが株式相場は米国主導で動くのでこちらを参考にしています。
騰落レシオ 日経平均比較チャート(25日)
日経平均の値上がりと値下がりの銘柄数から市場の過熱感をはかる指標です。
ネットストック投資指標 -信用買い評価損益率(日経平均・マザーズ)
信用取引で買いを入れている投資家の保有分の損益率を示したものです。
-20%を超えると担保維持ができなくなり追証※が続出するといわれています。
※追証:損失が大きくなって保有している株を維持するのに追加保証金や保有株売却が必要となる危険な状態
なおマザーズの信用買い評価損益率を見るには松井証券で口座開設する必要があります。
まとめ
株式投資の初心者に実践をおすすめしている、株式相場の大暴落時にのみ銘柄購入を実践する理由と大暴落のタイミングを見極める方法についての解説は以上です。
大暴落が起きる理由は、多くの投資家が中途半端な位置で銘柄の買い付けを行ってしまったからともいえます。
もちろん熟練投資家の皆さんはそれを承知の上で投資をしており、だからこそ常時十分なリスク管理を実践しています。
相場観やリスク回避術を十分に身につけていない初心者であるうちは、できるだけ極限まで買いを入れるタイミングをしぼり、バーゲンセールでの買い付けのみを実践するべきなのです。
年に数回くらいしか買い付けを行わない方法は、専業投資家からすれば機会損失が大きすぎてなかなか実践できない方法です。
しかし会社員として本業のあるサラリーマン投資家であれば、このやり方で普段はそれほど手間をかけることなく、副業として株式投資を成り立たせることができます。
買いのタイミングだけではなくて、買う銘柄の選定ももちろん重要となりますので、そちらについては下記を参考にしてみてください。
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